高橋 克彦

高橋克彦 プロフィール
高橋 克彦・たかはしかつひこ(1947-)

盛岡生まれ。岩手高校、早稲田大学商学部卒。 昭和58年(1983)『写楽殺人事件』(原題『蝋画の獅子』)で第29回江戸川乱歩賞を受賞、文壇デビュー。 昭和61年(1986)『総門谷』で第7回吉川英治文学新人賞、 翌昭和62年(1987)『北斎殺人事件』で第40回推理作家協会賞、 平成4年(1992)『緋い記憶』で第106回直木賞、 平成12年(2000)『火怨』で第34回吉川英治文学賞受賞。
平成5(1993)年放送NHK大河ドラマ『炎立つ』第一部・第二部の原作執筆。 平成13(2001)年放送のNHK大河ドラマ『北条時宗』の原作。
アレン短期大学名誉教授。 日本推理作家協会 日本浮世絵協会 日本文芸家協会 日中文化交流協会 所属。 ミステリー、エッセイ、浮世絵研究等100冊近く著書があり、当代きっての人気作家として活躍中。

直木賞受賞作となった『緋い記憶』をはじめ、高橋さんの小説にはたびたび盛岡の町が登場します。 昭和30年代から40年代の盛岡がミステリーの味付けを伴って克明に描かれ、 読者にとっては小説のおもしろさとともに、 過去の盛岡にタイムスリップできる楽しみも。 幼年時代から高校時代までを盛岡で過ごし、そして現在も盛岡市に住んでいる高橋さんにとって、 それはとりもなおさず自分自身の記憶をたどる旅なのだそう。
「僕が自分の育った街・盛岡を考えるようになったのは記憶シリーズから。 小説は作り事の世界ではあるけれども、 リアリティを持たせるには自分の記憶が残っている場所でなければならず、 架空の街が舞台では成立しません。 僕は、昭和30年代の何を覚えているか。 それはそのまま盛岡という街の記憶なんです。」
子どものころからマンガや本ばかり読んでいて、毎日お気に入りの貸し本屋3軒のうちのどこかにいたとか。 演劇部に籍をおき、劇作家として活躍していた中学から高校時代、 隣町の自宅を離れて盛岡市内に下宿していた高橋さんの青春時代を語るとき、 忘れてはならないのが60年代のポップスと映画の話。 映画好きはその頃から変わらず、 盛岡で毎年開かれる国際ミステリー映画祭 では高橋さんも一役かっています。
「こうして、自分の過ごした青春時代を振り返ってみると、 いやな思い出は全然なくて、つくづくいい街だなあと思うんです。」
高橋さんの青春時代の個人史は、ほかならぬ盛岡の歴史のひとこま。 小説に描かれた記憶をたどると、盛岡の街並が、 まるで映画のシーンのようによみがえってきます。

【関連項目】
高橋克彦ファンのためのHOMEPAGE (http://www4.justnet.ne.jp/~yocchin/KATSU.HTM)




戻る