鈴木 彦次郎

鈴木彦次郎 プロフィール
鈴木彦次郎・すずきひこじろう(1898-1975)

東京生まれ。1924年、川端康成、今東光らと雑誌『文芸時代』を創刊。 1944年盛岡に疎開。 1963年市勢功労者表彰。1970年勲四等瑞宝章受賞。 主な著書に『7月の健康美』『一騎打物語』『大関大の里』『常盤津林中』など。

東京・深川に生まれた鈴木彦次郎は、6歳から盛岡に移り住みました。 その後一高(旧制)、東大と進み、 最初純文学作家として出発。 川端康成や横光利一らとともに既成文壇に反逆し雑誌『文芸時代』を創刊、新感覚派運動を起こしました。 また、菊池寛らの創刊した『文芸春秋』の編集同人となっています。 のちに盛岡で発起人となって上演する文士劇には、このころ触れたようです。 戦前は、小説、戯曲、随筆と『文芸春秋』『文芸時代』を主な発表の場として活躍。 また、前衛的な劇団である「心座」の結成に参加、演出も担当しています。 相撲小説、時代小説など“大衆文学”に新聞野を開くのは昭和7年ごろからで、 戦中にかけ10年ほどこの分野で活躍、特に相撲小説では一家をなし、多くの作品を残しました。

戦時中、疎開で盛岡に疎開、その後盛岡を拠点に執筆活動。 県立図書館長、県教育委員副委員長等を歴任。 鈴木が文学活動へ入るきっかけは盛岡劇場にあったといいます。 盛岡の文士劇が10年以上にわたって継続上演されたのは、 鈴木の人徳に負うところが大きかったとか。 愛する岩手の文化の向上と後進の育成につとめるとともに、 多彩な文化活動を展開し、盛岡が終焉の地となりました。




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