盛岡文士劇

盛岡文士劇のはじまり
ドモ又の死
文士劇第1回公演(昭和24年)
「ドモ又の死」


弁天小僧
文士劇第9回公演(昭和32年)
「弁天小僧」
文士劇とは、専門俳優以外の文人、劇評家、画家などによって演じられる素人芝居。 明治38年、当時東京の各新聞社に籍をおいていた劇評家らによって組織された「若葉会」 が歌舞伎座で行ったのが文士劇の最初とされてます。 盛岡の演劇史を語る上で、欠かせないのがこの文士劇。 盛岡文士劇は、戦後明るい話題もなかった頃、作家の鈴木彦次郎を中心に、 岩手日報社の工藤正治らが発起人となって、 「盛岡市民が喜ぶようなものをやろう、それなら芝居しかないだろう」 と昭和24年12月22日に「第1回盛岡文士劇の夕」を県公会堂で開催。 入場料は50円(当日70円)で、益金は恵まれない人々に贈られました。 演目は『ドモ又の死』、出演は鈴木彦次郎深沢省三橋本八百二、堀江赳、盛内政志、村田野枝。
その後、文士劇は歳末恒例の盛岡名物となり、第2回から第7回は県公会堂、 第8回から第13回は谷村文化センターで、昭和37年まで公演。 歌舞伎座まで芝居の勉強に行ったり、 衣裳がないとなれば京都の映画撮影所から調達。 素晴らしい裏方に支えられ、素人芝居とは思われない本格的な舞台は、 年々出演者も多くなり、出し物も1回公演で4作品取り上げたり、 大掛かりで多くの参加者が出演できるような作品が選ばれるようになりました。 上演時間は3時間を越え、客席からは「○○屋」という掛け声が飛び交いました。
復活文士劇
娯楽の多様化などの時代の流れの中で、昭和37年の第13回公演の後に文士劇は中断。 旧盛岡劇場も昭和58年には老朽化などのため解体され姿を消しました。 しかし、市民から盛岡劇場復活の気運が盛り上がり、ついに平成2年、 同じ場所に新しい盛岡劇場がよみがえりました。 そして、文士劇も平成7年11月26日、33年ぶりに復活。 県人作家や県内企業・行政のトップらが遊び心いっぱいの“素人芝居”を披露。 盛岡弁が飛び交う会場は、出演者・観客一体となって盛り上がりました。 それ以来、文士劇は盛岡名物として再び定着しました。 東京で行われていた文士劇も幕を閉じて久しく、 今や盛岡は日本で唯一の文士劇を公演しています。 地元作家の共演や、放送局のアナウンサーの方言劇など、 ご愛嬌を含めた名演技が人気で、切符は発売と同時に売り切れるほど。 盛岡文士劇の歴史は、新しい時代へと受け継がれています。

盛岡文士劇実行委員会(会長 村田源一朗、事務局長 斎藤五郎)

問い合わせ先 : 盛岡劇場 TEL 019-622-2258
(財)盛岡市文化振興事業団 TEL 019-621-5100
白浪五人男
復活第1回公演(平成7年)
「白浪五人男」


復活文士劇
復活第5回公演(平成11年)
「盛岡版 坊っちゃん」
盛岡文士劇の軌跡
年/回 演目
昭和24年(第1回)
「秋の記録」「ドモ又の死」
昭和25年(第2回) 「地蔵教由来」「金色夜叉」
昭和26年(第3回) 「レ・ミゼラブル」「不如帰」「自由学校」
昭和27年(第4回) 「椿姫」「婦系図」「河内山宗俊」
昭和28年(第5回) 「籐十郎の恋」「弁天娘女男白浪」
昭和29年(第6回) 「番町皿屋敷」「時頼入道と横笛」「三人吉三廓初買」
昭和30年(第7回) 「与話情浮名横櫛」「大尉の娘」「国定忠治・雪の信濃路」
昭和31年(第8回) 「修善寺物語」「俊寛」「雪女郎」「金色夜叉」
昭和32年(第9回) 「先代萩」「弁天小僧」「勧進帳」「万延元年」
昭和33年(第10回) 10周年記念興行「元禄忠臣蔵」「鬼一法眼三略巻」「慶安太平記」
昭和34年(第11回) 「魚屋宗五郎」「其小唄夢廓」「三人吉三」
昭和35年 文士劇が岩手放送テレビスタジオから生放送。「弁天娘女男白浪」「幡随長兵衛精進俎板」
昭和36年(第12回) 「仮名手本忠臣蔵」「一本刀土俵入」
昭和37年(第13回) 「四千両小判梅葉」「新撰組始末記」
昭和38年~平成6年 時代の流れにより文士劇中断。
平成7年(復活第1回) 33年ぶりに盛岡文士劇復活公演。 立ち見の出る人気を呈する。盛岡版「結婚の申込」「口上」「白浪五人男」
平成8年(復活第2回) 盛岡版「父帰る」「口上」「河内山宗俊」
平成9年(復活第3回) 盛岡版「鶴の恩返し」「口上」「一本刀土俵入り」
平成10年(復活第4回) 盛岡版「ロミオとジュリエット~一と節子の場合~」「口上」「忠臣蔵外伝 土屋主税(つちやちから)」
平成11年(復活第5回) 盛岡版「坊っちゃん」「口上」「極付国定忠治」
平成12年(第5回) 盛岡版「ヴェニスの商人」「口上」「銭形平次」
平成13年(第6回) 盛岡弁芝居「これむずら」 「口上」 「極付播随長兵衛」
平成14年(第7回) 盛岡版「結婚の申し込み」 「口上」 「踊る狸御殿」
平成15年(第8回) 盛岡版「シンデレラ~八幡町恋々横丁物語」 「口上」 「常磐津林中~花盛岡街賑」
平成16年(第9回) 盛岡版「金色夜叉」 「口上」 「旗本退屈男 謎の南蛮屋敷」
平成17年(第10回) 盛岡版「君の名は」~あの下の橋のたもとで~ 「口上」 「鞍馬天狗」
平成18年(第11回) 盛岡版「夫婦善哉」 「口上」 「新撰組」
平成19年(第12回) 盛岡版「芝浜」八幡町出世横丁 「口上」 「丹下左膳」

盛岡文士劇実行委員会
(会長 村田源一朗、事務局長 畑山隆)
<照会先>盛岡劇場(℡019-622-2258)|盛岡市文化振興事業団(℡019-621-5100)






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